アシノコト
2015/12/16

諦めてませんか? ヒールの傷をキレイに修理して長く履こう!

クリップ

普段、どれだけ注意して歩いていても小さな溝にヒールが挟まり、大切な靴のヒールを大胆に傷つけてしまうような経験はありませんか? 

また、何かしたわけでもないのに、気づいたらヒールに傷が!というような経験はありませんか?

しかし、諦めないでください。ダメージの状態、ヒールの種類によってはキレイに直す修理方法があるのです。今回はヒールの種類別に3種類の修理方法を紹介します。

ヒールの塗装が剥がれたら

ヒールのベースは、実はどれも白いプラスチック。ヒールのほとんどは、そのプラスチック上に塗装が施されています。

塗装ですので好きな色や模様のプリントも可能な反面、擦れると塗装面が傷つきやすいという弱点もあり、いつの間にか傷だらけということも珍しくはありません。

しかし、塗装ですので再塗装すればある程度キレイに修復することが可能です。

例えば、メッキ塗装のヒールに傷が入った場合です。履けないこともないですが、傷つくと履いていて気持ちいい物ではありませんね。その場合は、再塗装を施すことがあります。

まずヒールを外しました。写真左は、ヒールを外した状態、右が軽く塗装を落とした状態です。 ベースの白いプラスチックが姿を見せました。

下地処理を施し、塗装をしました。

この下地処理では、完全に塗装を落とし、ヒールにできた凹凸をならし平滑な面にします。塗装がしっかりとつくように番手の細かい紙ヤスリで表面を磨きます。

塗装を施すにあたっても、下地作りが前提となります。塗料を塗るのに時間はかからないことが多いのですが、きれいな仕上がりを求める場合、下地処理は塗料を塗る何倍も時間をかけて丁寧に仕上げます。

再度ヒールを取り付ければ見事復活です

このようにヒールの傷も再塗装できれいに修理できることがあります。

スタックヒールは部分的な巻き直しが可能

そしてもう一種類、よくあるヒールがスタックヒールと言われるヒールです。

コチラは、プラスチックのベースの上に「スタックシート」といわれる革を何層にも重ねて薄いシート状にしたものを巻いて仕上げられたヒールです。

色は素上げ(色無し)、茶色、焦げ茶色、黒が多く、特殊な色を除けば、部分修理でキレイに修理することが可能です。

修理の手順としては、ダメージがあるスタックシートの切り取り、スタックシートの巻き直し、色入れ、仕上げ(磨き)となります。

コチラも皆様見覚えのある状態かと思います。溝にはまってスタックシートが破れてしまっています。

スタックのシートは革が何層にも重なっているので、ダメージのある層より下を新しく巻き直す事が出来ます。

写真は、荒れたヒール表面をならして、ダメージの有る部分を取り除いた状態です。

そして、新しいスタックシートを巻き直しました。

そこへ褪せた色を入れ直します。

最後に磨き上げたら、元通りです。
スタックヒールもこのように、修理を施すことで、きれいに使い続けることができます。

巻き革の破れは、張り替え無しでもここまで直る

最後に、靴の甲革(アッパー)と同素材や、デザイン的に異なる革でベースのプラスチックを巻いたヒールの修理についてです。

このヒールを巻く革は「巻き革」と呼ばれますが、革の種類や厚みによって破れやすかったり、傷つきやすかったりします。

通常、元通りに戻すには巻革交換という作業になります。この場合ヒールを靴から一度外し、新しい巻革を巻き直し、再度ヒールを取り付けるという作業になります。

しかし、この作業で幾つか問題が出てくる事があります、巻革が特殊な色であったり、特殊な素材であった場合は手配することが出来ない。ヒールの取り付け面積が極端に狭い靴の場合、再度ヒールを取り付けても十分な取り付け強度が出ず、危険な場合がある等です。

しかし、諦めないでください。巻革のダメージ次第では、巻革を巻き直すのではなく、巻革の補修をする事で見た目を修復する事も可能です。

これもよく目にする状態ですね。

すり減ったピンを外し、捲れ上がっている部分を貼り戻すためにノリを塗りました。

捲れていた部分を貼り戻し、ボサついた余分な革はヤスリで削り落とした状態です。

ボサついた表面に蝋を入れて磨き上げれば、深い傷は完璧には隠しきれませんが、細かい傷は奇麗に埋まり、履いていて恥ずかしく無い程度までは修復できました。

ヒールの傷はどれだけ注意しても避けられないもの。しかし、お気に入りのヒールに傷がついたら気になりますね。

その都度修理屋さんへ出向いていてはきりがありませんが、ヒール交換等のタイミングで修理屋さんで相談して、適切な処置を施すことがおすすめです。適切なタイミングで修理を行い、気持ちよくお洒落を楽しみましょう

ライター/長谷川 一平
修理・注文靴の制作現場での経験を元に、フルオーダーの製作、オーダー靴の製作技術からアプローチを行うBontaを経営。
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