アシノコト
2016/11/26

お手入れから、ヒール高まで、実は間違っている靴の常識

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靴修理をしていると、いろいろなお客様と靴についてお話しする機会があります。そんな会話から、お客様が意外に靴について勘違いしていることが多いとわかりました。知っているようで知らない、足や靴の事、お教えします!

歩き方のせいで、カカトが斜めに……

歩き方のせいでカカトが斜めに

靴の修理で一番多いと言ってよいのが、カカトの修理。カカト修理に来られたお客様からよく言われるのが「わたし、歩き方が悪いから、ななめ後ろばかりすり減っちゃうんです!」。

いいえ!実は靴の真後ろがすり減る人はほとんどいないのです。外側のななめ後がすり減るのが正常です。歩くときは、カカトから地面に着地して、足の外側を小指の付け根に向かって体重移動して、親指の付け根に、そして足の指で地面を蹴ることで前に進みます。

そのため、靴底は必然的に外側が擦り減っていくのです。真後ろが減るわけではありません。あまりにも極端に真横が削れていたり、左右の減り方が全く違う場合は、身体や歩き方にゆがみを疑う必要があります。無理に真後ろがすり減るように歩くのはかえってよくないので、気をつけてくださいね。

キレイに保つには、靴クリームを塗り続ける

キレイに保つには、靴クリームを塗り続ける

靴をきれいにし、長持ちさせるためのはずの靴クリーム。ですが、皆さまどんどん重ね塗りしていませんか?

これも良くある勘違いになりますが、靴クリームもクリーナーで落とす作業が必要です。毎回は必要ないですが、何回か磨いたら一度スッピンに戻してあげてくださいね。

定着力の強い、液体の靴磨きを重ね塗りすると、表面が割れる原因になったりもします。また、革に優しいはずの、乳化性のクリームでも、光らせる成分は含まれているロウになります。

ロウが靴の表面に残り、細かな凹凸を埋めてくれることでツヤが出るのですが、このロウが過剰にたまってしまうと、白く浮いてきてしまいます。爪先やカカトの内側など擦れる部分は、クリームも落ちてしまうので気になりませんが、靴のシワには古いクリームがたまりがち。長持ちさせるためにもしっかり落としてくださいね。

ヒールを低くすれば履きやすい

ヒールを低くすれば履きやすい.j

ヒールの高いパンプス、歩くのが痛くなったりして大変ですよね。そこで、よくお願いされる修理が、ヒールカット。

通常、靴のバランスを考えると1.5センチくらいのカットが限界と言われています。ですが「半分くらいにして!」は、まだ良いほうで、「ペッタンコにしちゃって!!」なんて要望をいただくこともあります。正直なところ、物理的には削り落としてしまえば、出来なくはないんですが……。あまりオススメではありません…。

やっぱり靴にはもともとのバランスがあり、ヒールを低くすると爪先があがります。スニーカーなどと違って、パンプスの場合、斜めの傾斜が崩れないように金属のパーツで靴底をしっかり支えてあります。足を包む革も、もちろんその傾斜に合わせて作られているので、恐らく足を入れても靴が伸びきらず、奇妙なことになるかと思います。

何事にも限界はありますので、ほどほどが一番です。

いかがでしたか?みなさんの中にも、勘違いをしていた方がいらっしゃるのでは? 勘違いしていても特別困ることもないですが、身体が歪んだり、靴が長持ちしなかったりは困りますよね。疑問に思ったことは、修理店のスタッフに聞いてみてくださいね。 

 
 
ライター/高見 雅治
靴修理店doekを経営。ハンドバッグメーカーに勤めていた経験を活かし、相談から作業まで一括自身で修繕を行っている。
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